アントシアニンは、カテキンやイソフラボンと同様、健康に良い成分として知られるようになったポリフェノールの一種です。主に紫色の果実や花に多く含まれる植物色素で、500以上の種類があるとされています。

中でも、フィンランドやスウェーデンなど北欧原産のビルベリーには、多くの種類のアントシアニンが含まれ、その量は一般的なブルーベリーと比べて4～5倍も多いことが分かっています。これは、太陽が沈むことのない夏の「白夜」の季節、一日中降り注ぐ紫外線から果実を守るために、色素であるアントシアニンが濃くなるからだともいわれています。

【アントシアニンを含む代表的な食材】

北欧原産のビルベリーは、ブルーベリーの原種ともいわれています。果実は、ブルーベリーの果実よりも小さめで、水分が多いため柔らかく、果肉の中まで濃い紫色をしているのが特徴です。酸味が強く、日本では栽培が難しいこともあり、日本で生で食べられることはほとんどありません。

ビルベリー由来アントシアニンには、眼の健康を守る２つの働きがあることが報告されています。

その１つが、ピント調節機能の低下を緩和する働き。眼のピント調節は、レンズの役割をする水晶体を毛様体筋と呼ばれる筋肉が引っ張ったりゆるめたりすることで行っています。パソコンやスマートフォンなど、長い時間近くのものを見続けると、毛様体筋が緊張し、ピントを調節する機能が低下します。

ビルベリー由来アントシアニンには、この毛様体筋の緊張を緩和する働きがあり、その結果ピント調節機能が改善すると考えられています。

もう1つの働きが、眼の疲労感の改善です。ビルベリー由来アントシアニンを摂取した人は、摂取していない人と比べて眼の疲労感が改善することが分かっています。

眼の健康に関する成分にはほかにも、くっきりと物を見る感度（コントラスト感度）の改善や、パソコンやスマートフォンの画面から発せられるブルーライトなどの光刺激から眼を守る機能が報告されているルテインという成分があります。ビルベリー由来アントシアニンと一緒に摂取すると良いでしょう。